公立中学の「内申」に対する問題提議(東洋経済オンライン)。これは、広く議論されるべき問題ですよ。
【実録!公立中学の不透明な「内申」と高校受験】 「中学受験」がコロナ禍でも増えている納得理由#東洋経済オンラインhttps://t.co/P9O4IBH72M
— 東洋経済オンライン (@Toyokeizai) May 7, 2021
記事は東京都立高校の入試を取り上げている。全国どこでも、大なり小なり同じような状況じゃないでしょうか。愛知県は、内申が90点満点(主要5教科と実技系4教科は同じ重み)、筆記試験は110点満点で、学校によって重みが変わる。いわゆる進学校は、筆記試験の点数を 1.5 倍する学校が多い。それでも、内申点の占める割合は 35% に達する。内申は45点、筆記試験 220点にしようよ。これなら 17% だから、まあ納得できる。
入学試験を一発勝負だけにするのではなく、中学在学中の取り組みも加味して評価する、という意図はもちろん理解できる。一番の問題は、上の記事にもある通り、内申点の評価方法が不透明であること。評価基準はあらかじめ周知されていないといけないし、その評価基準は「中学での学びの達成目標」に一致するものでないといけない。
「教師に媚びることで点数が上乗せできる」なんて、教育機関として機能していない。これは、中学教師の質の問題でもある。卒業生の親にアンケートでもとってみたら、「あの先生はそういう風に見られている」というのがすぐにわかると思う。その結果を当該教師につきつけて、改善を促していかないといけない。といっても、校長にその業務をやらせるのは酷な話なので、事務方(教育委員会)で一括してアンケートをとって、教師個人宛に送るようにすればいい。もちろん、教育委員会に信頼できる人を揃えることがまず必要だけど。
「内申なんてそんなもんだ」とわかったような顔をしちゃいかんと思うんですよ。「こんな状況を放置してはいけない」ということで、意思統一が必要。学校側が「今の内申制度でよい(止むを得ない)」と考えるのであれば、明確な論理でもって反論しないといけません。児童生徒が学校で過ごす時間は長い。問題のある構造は少しずつでも改善していただきたい。