2026年08月09日

「人びとの社会戦争」(益田肇著、岩波書店)

 ゴツい本です。いやあ長かった。読了までに半年かかりました。

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 対米開戦前後の日本の歴史について、一般的な見方では、軍部の台頭が政党政治と民主主義を押しつぶして、国民の自由を奪い取りながら戦争に突き進んでいった、とされています。この歴史観の主役は政治家たちであり、「普通の人々」は単に政治に翻弄される受動的な存在とされています。これに対して、本書は別の視点を提供します。つまり、対米開戦を強く臨んでいたのはむしろ「普通の人々」であり、当時の政治家はその世論の動向を無視できず、無謀な戦争に突入していった、という見方です。本書はこの見方を、「普通の人々」が残した多くの日記、および政治家たちの公式記録や回想録・私信などを参照しながら、論証していきます。

 本書は、まず大正時代が「解放の時代」であったこと、つまりさまざまな属性の人々がそれまでの桎梏から自由になろうと声を上げていたことから始まります。そして、その「解放」を目指す人びとのことを苦々しく見つめる人の存在に目を向けます。「解放」を目指す人と「引き締め」を目指す人との間の勢力争い、これが著者の言う「人びとの社会戦争」です。

 大正から昭和初期にかけての、若者たちの自由の謳歌、そして性的放縦を良しとしない人々は、さまざまな形で「引き締め」を呼びかけますが、なかなか成果は上がりません。一方、「解放」を目指す人々も、旧来からの社会の構成要素として生きている以上、「解放的な」行動・言動にもなかなか徹底することができません。誰もが行き詰まりを感じていたときに、満州事変が勃発し、世論が一気に「関東軍の断固たる行動を支持する」方向に変動した、というのが著者の見立てです。「引き締め」を目指す人々は「らしさ」(男らしさ、女らしさ、妻らしさ、など)の復権を唱えており、満州事変はまさに「男らしさ」の具現として受け止められた、ということです。

 もちろん、そこに各種メディア(当時は主に新聞・雑誌)の役割が大きかったことは言うまでもありません。満州事変勃発当初は、批判的な言説も掲載されていたものが、在郷軍人会や右翼団体による不買運動に遭って、「売れ行きに影響するようなことは自然遠慮するようになる」(文藝春秋での記者座談会での発言要旨)という判断をするようになります。よく知られた、「信濃毎日新聞」の桐生悠々の論説への猛反発、および同紙の謝罪事件もこの時期のことです。

 本書で論考されている内容の中で、「解放派」と「引き締め派」は完全に分離されていたわけではなく、一人の人の中でも揺れがある、というのは秀逸な分析だと思います。これは個人の日記などを丁寧に追いかけていかないと見えてこないことです。社会戦争は、強く一貫した主張を持つ人たちの間での衝突ではなく、特別な思想を持たない「普通の人々」の間の意見の相違であり、それが世論を形作って国家に無謀な開戦をも決断させてしまう、ということが、本書から学ぶべき一つの大きな教訓でしょう。

 「あの戦争」は多くの人に大きな傷を残したわけですが、どうすればそれを回避することができたのか、本書を読んでも見えてくることはありませんでした。しかし、「普通の人々」の声が政治の動きに反映された結果があの戦争だった、ということなのであれば、「新しい戦前」とも言われる現在、やるべきことがあるようにも思います。「戦争」または「戦時体制」を好み、切望している人がいることをまず認めた上で、「そうでない人」(私はおおむねこちらに属しています。もちろん一定の揺れはありますが)の声がかき消されてしまわないように、声を上げ続けることが必要なのだと思っています。

タグ:読書 社会
Posted at 2026年08月09日 11:42:26

2026年08月06日

Ubuntu 上の KVM/QEMU で Windows 11 を走らせる

 Ubuntu をメインマシンにするといっても、「Windows しか対応していない」アプリを使わないといけない場面が必ず出てきます。官庁とか金融系とかですね。長年 Mac ユーザーをやってますから、そういう状況には慣れています。素直に、Windows を使える環境を用意しておこうと思います。

 調べるとたくさん情報が出てきます。KVM/QEMU が良さそうです。このサイトを主に参考にしました。

Ubuntu 24.04上へのWindows 11のインストール - Qiita

以下は Ubuntu 24.04 LTS 上で KVM/QEMU を使って Windows 11 をインストールするための、最も安定した手順を “研究室向け” の精度でまとめたものです。 (saru-lab 環境向けに、virtio ドライバや UEFI、TPM2、セキュア...

 virt-manager(仮想マシンマネージャ)と ovmf(KVMで利用可能なUEFIファームウェア)をインストールする。インストール後、一度再起動しておく。

$ sudo apt update
$ sudo apt install virt-manager ovmf
$ sudo usermod -aG kvm $USER

 Windows 11 ISO をダウンロードする。「Windows 11 (x64デバイス用のマルチエディションISO)」を選び、言語として「日本語」を選ぶと、ダウンロードボタンが出現する。

Windows 11 のダウンロード

 Windows ライセンスは要注意です。ノート PC を購入したときについてきたライセンスは、ノート PC 本体上で使うことを前提とするライセンスなので、仮想マシンで使うのはライセンス違反のはずです。リテール版のライセンスを入手しておく必要があります。だいぶ昔に買った Windows 10 Home の未使用ライセンスがあったので、それを流用しました。Windows 11 でも同じライセンスキーが使えました。

 VirtIO ISO をダウンロードする。下のサイトから、virtio-win.iso を選んでダウンロード。まだよく理解できていませんが、仮想マシンからハードウェアへのアクセスを効率化する仕組みのようです。Windows 上にインストールします。

fedorapeople.org

This is directory listing for a user on Fedora People. You can read more about Fedora People here. This is a community maintained site. Red Hat is not responsible for content. File a ticket if this contains anything that is not permitted.

 ここまで準備できたら、仮想マシンマネージャを立ち上げる。アプリケーションメニューの「システム」の中に「仮想マシンマネージャ」がある。

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 「+」を押して、新規仮想マシンの作成に入る。

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 以下、「ISOイメージからインストール」を選んで、Windows 11 ISO を選択する。メモリは 8192 MB, CPU 4 コア, ディスク 80GB とする。「インストールの前に設定をカスタマイズする」にチェックを入れる。

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 「完了」を押すと、設定をカスタマイズする画面に移行する。ファームウェアを「UEFI」にする。

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 TPM を選んで、バージョンを "2.0" にする。@saru2017 さんの環境と違って、TPM の追加インストールは不要でした。

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 「新しい仮想ハードウェアを追加」を押し、「ストレージ」で virtio-win.iso を選んで CD-ROM デバイスとして追加。これはあとで仮想マシン上にドライバをインストールするときに使います。

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 「SATAディスク1」の項目を選び、ディスクバスを「VirtIO」に変更する。

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 「NIC」の項目を選び、デバイスのモデルを「VirtIO」に変更する。

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 「CPU数」の項目を選び、「ホストCPUの設定をコピーする」にチェックを入れる。

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 「インストールの開始」を押す。言語を選んで、プロダクトキーを入れて、「Windows 11 をインストールする場所の選択」の画面になりますが、ここでディスクが見えません。VirtIO のドライバがまだ入ってないためです。

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 「ドライバーのロード」を選び、Eドライブ(virtio-win.iso)の \amd64\w11\viostor.inf を選んでインストールする。これで、最初に作成した 80 GB のディスクが見えて、インストール先として選べるようになります。

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 ネットワークに接続するところで、それ以上進めなくなりました。ここでも VirtIO ドライバを入れればいいと思ったのですが、どれをインストールすればよいのかわからなかったのです。

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 そこで、ネットワーク無しで、ローカルアカウントでセットアップすることにしました。shift-F10 (OmniBook 7 の場合は、「FN+SHIFT+F10」)を押してコマンドプロンプトを出し、下のようにタイプします。キー配列がなぜかUS配列になっていた(たぶん最初の方で選択を間違えた)ので、コロンを間違えないように慎重に打ちました。

start ms-cxh:localonly

 無事立ち上がりました!

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 E:ドライブを開いて、「virtio-win-gt-x64.msi」「virtio-win-guest-tools.exe」の2つをインストールしておきます。これでネットワークが使えるようになります。動作も全体的に速くなった気がします。

 仮想マシンの作業を中断するときは、下の「保存」を選んでおくと、スナップショットが保存されます。次に立ち上げたときに同じ状態で作業を続行できます。

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 とりあえず LINE アプリをインストールしました。

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 実は、LINE アプリを Wine で動かせないかなと思って、だいぶ頑張ったのですが、どうしても安定して動かすことができませんでした。他にも Wine じゃ動かないアプリがあるだろうし、まあ仮想マシンで Windows は持っておくに越したことはないな、と思って立ち上げた次第です。仮想マシン上での Windows の動作は案外軽快なので、画面が狭いことを除けば、まずまず快適に使えそうです。

タグ:Linux
Posted at 2026年08月06日 22:32:50

2026年08月03日

夏野菜の現状

 猛暑の中、ゴーヤが実をつけ始めました。今年もたくさんとれてほしい。

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 ミニトマトはそろそろ終わりです。今年は大成功でした。ミニトマトを植えて「成功した」と思えたのは初めてです。少し早めに植え付けて、猛暑になる前に終わらせる、というプラン通りにできました。

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 脇芽から花が付きそうな気配があります。終わったところを片付けて、この脇芽をもう少し育ててみようかな。延長戦ですね。まあ、ここまでよく頑張ってくれたので、これ以上実がつかなくても別に構いませんが。

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 シソは元気です。消費の方が追いついてない感があります。そろそろバッタが出てきたので、きつく対応する予定です。(参考

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 キンジソウは、一部しおれかけていたのですが、土をしっかり寄せてこまめに水をやっていると、復活してきました。もう少し涼しくなってからが本番です。

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タグ:園芸
Posted at 2026年08月03日 21:37:29
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