2021年04月26日

名古屋市長選

 名古屋市長選、河村たかし氏が5選(4期目)。投票率は 42.1%。2位の横井氏との得票率の差は 6.2% で、過去の市長選と比べると差は小さかったようだが、それでも出口調査の結果では全世代で横井氏を上回った。実質完勝と言ってよいでしょう。

 個人的には、とても残念だった。河村氏は、確かに市政については十分な実績がある。特に、子どもと高齢者に対する名古屋市の施策は充実している。子どもへの施策についてはいろいろトンチンカンな点がないでもないけど、「なんとかしなくちゃ」という気概は感じる。ただねえ、人気取りが最優先事項なので、時々ものすごく情緒的な行動・言動をするわけですよ。「あいちトリエンナーレ」に対する反対行動がその最たるもの。

 市長とは言っても市民の1人だから、反対意見を申し述べる自由はもちろんある。でも、座り込みをやったりしちゃダメですよ。市長が率先してそんなことをしていたら、「市長にお墨付きをもらった」と実力行使を正当化する人が出るじゃないですか。中には暴力的な行動を起こす人も出てくる。230万の人口を抱える大きな市のトップに立ってるんだから、感情に訴えて市民を分断するようなことをやっちゃいけない。

 リコール運動もひどかったですね。不正行為がどうこうというのは、現状では何も明らかになっていないので、特に判断材料にはならない。けど、そもそもリコール制度なんて、政治的な力を持たない一般県民のための異議申し立て制度でしょう。市長みたいに「政治的な力をもともと持っている人」が私怨に駆られて使う制度じゃないですよ。

 小差とはいえ河村氏を選んだことで、名古屋市民は「極めて私的な感情に任せて権力行使する人物」を首長として是とすることになってしまった。名古屋に移り住んで8年になりますが、今日ほど名古屋市民であることを恥ずかしく思った日はありません。

タグ:社会
Posted at 2021年04月26日 22:38:09
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