以前、土つくりの勉強のために、本を読んだ話を書いた。
- 「生ごみ先生の元気野菜革命(吉田俊道/東洋経済新報社)」(2018/05/10)
- 「『育つ土』を作る家庭菜園の科学(木嶋利男著/講談社ブルーバックス)」(2018/05/28)
この2冊で得た知識をもとに、この1年はコンポストをこういう風に運用していた。
- 台所の野菜くずを入れる方針は変化なし。
- 雑草を抜いたものは、天日で乾かして、茶色くなったあたりで投入。(=野菜よりも付着している菌が多いと思われるので、発酵を促進させる)
- 山砂、バーミキュライトを適宜加えて、よく切り返す。(=砂は、粒子の大きな土を入れることで隙間を作る。バーミキュライトは、保水力・吸着力の改善。)
- コンポスト容器にある程度内容物がたまってきたら、熟成用の別容器に入れて、1〜2ヶ月放置。ときどき切り返す。
熟成後の土はこんな風になった。今までとは全く違う。今までは、有機物が分解されてくると、ガチガチの粘土質にだんだん戻っていっていたが、今はさらさらの土になっている。たぶんバーミキュライトの効果は相当大きい(今までも山砂は入れたことがあったけど、ここまでの変化はなかった)。

こちらは熟成途中の土。こちらは、まだ山砂・バーミキュライトの投入が不十分なため、粘土のかたまりがごろごろしている。

こちらは元の粘土質の土。真っ白で、ただの粘土にしか見えない。これでも、何度か作物を植えたり、コンポスト堆肥を入れたりはしてるんですよ。でも、元の粘土と同じようなものに戻ってしまう。元の粘土(たぶんカオリナイト)は、栄養成分を吸着する力がとても弱いことがわかる。

今回、コンポスト作成中に気づいたことがあった。
- 雑草くずの効果は絶大。気温の高い時期だと、十分に枯らした雑草をコンポストに加えると、翌日は湯気が立つぐらい発酵していることがある。発酵が順調だと温度が上がって湯気が立つ、という話は聞いていたのだが、実感したのは初めて。
- バーミキュライトをコンポスト容器に投入しておくと、野菜くずが多少水を含んでいても、あまり水っぽくならない。バーミキュライトが水を吸着してくれるからだと思われる。
- 何度かコンポスト容器に雨が降り込んだことがあった(うっかりフタを閉め忘れていた)。今までは雨が降りこむとすぐにベチョベチョになって、野菜くず投入をしばらく中止していたのだが、バーミキュライトが入っているとそういう状況にはなりにくい。
土の質は本当に大事。生ごみコンポストの話はネットでいくらでも見つかるけど、単にごみを減らすだけじゃなくて庭土の改良までやりたいのであれば、少しは土のことを知らないといけない、ということがよくわかった。
熟成完了した土を使って、キンジソウを植えた。畑で去年植えていた場所の土をはがして、代わりに今回作った土を入れ、植え付けた。土の表面を稲わらで覆って、乾燥を防ぐとともに、葉が土に触れて腐ってくるのを防ぐ。

去年はキンジソウの芽がなかなか出てこなかったのだが、今年は早かった。3月前半がむやみに暖かかったのが大きいと思う。あと、秋に茎を切って越冬準備したときに、切り口にカルスメイト(切り口の保護剤)を塗って乾燥を抑えたのもよかったのかもしれない。

吉田さんの本によれば、野菜類は良い土で元気に育てば、虫もつきにくいそうだ。まだこれを実感したことがないので、今年の結果を楽しみにしている。