月刊「たくさんのふしぎ」2026年3月号です。クルドの人たちが新年を祝う「ネウロズ」というお祭りについて、世界各地のクルドの人たちに取材して紹介したものです。
クルドの人たちは、立春の日を新年として祝うそうです。著者の金井さんは、さいたま市でのネウロズのお祭りから始めて、世界各地のネウロズの様子を描いています。実際に行った国もあり、ビデオ通話でのインタビューで構成した部分もあります。
この本、ヨドバシの通販では「クルドのドレス」という書名になっています。これは間違いだけど、もともとこの題が想定されていたのかもな、とも思いました。それぐらい、ドレスの話が多いです。まあ、絵が中心の本だしね。
さりげなく、重い話も入っています。そもそも、クルド人が中東の広い地域に居住していて独立の国を持たないこと、それぞれの国でマイノリティとして迫害を受けてきたことも、手短に説明されています。本書に登場するクルド人のムラドさんは、イラクのクルド人反政府勢力の子供として生まれ、イギリスに密航して難民認定を受けた、という経歴を持っているそうです。一見、お祭りの華やかで楽しい面だけを描いているような本書ですが、その背景に何があるのかを知ってほしい、という著者の願いは、きちんと読めば伝わってきます。
巻末の「作者のことば」にある、次の一節をきちんと受け止めたいですね。
でもいろんな場所でいろんなクルド人に会ってみて、わたしがしみじみ思うのは「クルド人は、こういう人だ」とひとくくりにはできないってことです。
本書巻末「ふしぎ新聞」8ページ
「たくさんのふしぎ」は、「小学校中学年から」が対象の雑誌ですが、「小学校中学年から大人まで」と表記したいですね。うちでは毎月定期購読しています。もちろん、当たり外れ・好みに合う合わないはあるのですが、福音館書店は頑張っていると思います。日本中の小学校の図書室に置いてほしいものです。
