以前に書いたボロディンの紹介記事の中に、「"Tati-tati"という曲を元にした変奏曲を仲間と作曲した」というようなことが書いてあって、何のこっちゃと思っていたのだが、調べてみたら IMSLP に登録されてた!
Paraphrases pour piano (sur le thème favori et obligé)
ボロディンの娘さんのためにみんなで作った曲らしい。子供が二本の指で次のメロディを演奏し、大人が伴奏をつけるという趣向である。
曲は「24の変奏曲とフィナーレ、さらに15の小品」から成っている。最初の変奏曲はキュイ・リアドフ・リムスキー=コルサコフの共作で、冒頭部分は大人しいのだが…
なんか途中から雲行きが怪しくなってくる。なぜト短調?
さらに暴走して、変ニ長調まで行っちゃう。両方ともリムスキー=コルサコフ作か!
ボロディンは「小品」の方に登場する。上の3人に比べるとずいぶん品の良い作風だが、1曲は「葬送行進曲」、1曲は「レクイエム」って、何か悲しいことあったんですかボロディン先生。
第2版で追加されたボロディンの遺作「マズルカ」は出色。
なお、ムソルグスキーは「こんな企画は意味ない」と参加を拒否した模様。それにしても、こんな暴走気味の大作(52ページもある)を献呈されたボロディンの娘さんはそうとう困惑しただろうな。
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