クラシック音楽館で珍しい作品を取り上げていたので、見ました。ポーランドの作曲家パヌフニクの "Sinfonia Sacra"(神聖な交響曲)です。
なぜかスコアを持っていたので、少し予習しました。1966年のポーランドの千年紀を祝うために作曲されたもので、1964年に初演されたそうです。わりと古い曲なんだな。
この曲は、トランペット4本がソロ楽器扱いになっています。下のような配置が推奨されている。祝典の雰囲気ですね。
引用は Boosey & Hawkes (HPS797) による第一部は、"Vision I", "Vision II", "Vision III" の3つの部分から成る。"Vision I" は、4本のトランペットによる無伴奏のファンファーレ。
"Vision II" は弦楽器による静かなコラール。
"Vision III" は打楽器の強打で始まる激しい部分。ポーランドの苦難の歴史を表しているのでしょうか。この部分、ページ数で言うとスコアの半分ぐらいを占めているんだけど、楽想はわりあい単純です。似たフレーズの繰り返しが多い。何事かを伝えると言うよりも、迫り来る脅威を音で描きたかった、という意図を感じます。
技術的なところで、このティンパニのソロがどう聞こえるかに興味がありました。グリッサンドが直線的に降りていくかどうか、というところなのですが、小節の後半に寄っているように聞こえました。均等に降りていくのが作者の意図じゃないのかな、と感じましたけどね。
第2部は "Hymn"。ポーランドに古くから伝わる賛美歌がモチーフだそうです。冒頭は弦のハーモニックスで、少しずつ木管が加わってくる。木管のアンサンブルが非常に美しかった。N響さすがですね。
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