昨日の「楽譜付きの動画を作る方法:改」で作っていたのは、自作曲「ホ調のパルティータ」の動画です。
1991 年に作り始めて、少しずつ書き足して行って、1995 年に完成。それから DTM 化にとりかかって、1995 年の 12 月ごろに Nifty の FMIDICLA で発表しました。FMIDICLA の月間人気投票で2位をいただきました。オリジナル曲で FMIDICLA の人気投票上位に入るのはなかなかハードルが高かったので、この2位は自分としては快挙でした。会議室でいろいろ踏み込んだ感想をいただいたのもよい思い出です。
形式は変奏曲なのですが、第6〜8変奏の流れが気に入っています。
第6変奏が異様に暗いのは、何やら若い日の悩みがあったんでしょうね。第7変奏、第8変奏の軽やかさは、その悩みが吹っ切れていく過程だとすればわかりやすいのですが、第8変奏は実はテーマの次ぐらいに作曲が完了しているので、そういう話でもないのです。もっとも、この音楽は物語を描写するものではないので、そういう事情はどうでもよいことではあります。
「気に入っている」というのは、純粋に音使いについての話です。「なんでこんなこと思いついたんかな」と思うような音がある。
例えば、第6変奏の、半音階進行からホ短調の属和音に至る流れとか。
第7変奏の、変イ短調から始まる平行三度の連続から、ホ短調のナポリ六度に行きつく進行とか。
第8変奏の、二声対位法の対旋律として導入したモチーフが、転調の要になっているところとか。(この変奏の後半にもめっちゃ出てくる)