西加奈子さんって、売れっ子の作家さんじゃないですか。「きいろいゾウ」って映画になってて、宮崎あおいと向井理が草の上にまったり座っているスチールが印象に残ってて、読んでもいないのになんとなく、「清らかなイイ話」を書く系の人なのかな、と勝手にイメージしてたりしたわけですよ。
…ぜんっぜん違うやん。(てか、「きいろいゾウ」もどうもそういう話じゃないっぽいけど。)
実は、ある時たまたま読んだ文庫本の解説が西加奈子さんで(津村記久子「とにかくうちに帰ります」)、本文ももちろん面白かったんだけど、「えー、西加奈子さんってこういう芸風だったのか、なんか面白いじゃん」と気になり始めた。で、本屋で見つけたこのエッセイ集を数ページ読んで、「あかん、面白すぎる、これは買うしかない」とほぼ衝動買いしてしまったわけです。
なんか、モノローグのリズムがいいんだよね。自分にとっては、大阪弁のなつかしさも一役買ってるんだけど。
「へらぶな釣り」を買いに来たオカマの「モウ獣広場 様」。それ領収証切っていいんですか? 店に置くの? 猛獣と書いた私に「もうはカタカナでしょう!」と、どうして怒るの? へらぶな釣るなよ。
「わははー、ここの窓、えらい汚いやろ? ネズミ色なっとるやろ? わしの体もネズミ色やさかい、バレてへん、バレてへん!」(中略)
その蛾は、いつもの場所、窓に張り付いています。いつご飯食べてんの? 丸見えやで? 擬態って、何? なんで、逃げへんの?
今度は西さんの小説を読んでみようと思います。
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