クラフト・エヴィング商會とは、吉田篤弘・吉田浩美両氏による制作ユニット。「ないもの、あります」という作品がある。本書は、小川洋子さんが繰り出す「ないものの注文書」五通に対して、クラフト・エヴィング商會がそれぞれ「納品書」を返し、それに小川さんが「受領書」を返す、というスタイル。また、小川さんが注文する「ないもの」は、それぞれがある文学作品にちなんだものになっている。残念ながら、どの作品も読んだことがない。
「ないもの、あります」でも感じたのだが、クラフト・エヴィング商會は、ちょっともったいぶってる感じで、自分の趣味にはあまり合わなかった。まあ、当方は雑なのが基本なんでね。本書は、小川洋子さんの力で読ませてもらった。「貧乏な叔母さん」がずばぬけて秀逸。「納品書」が意外でもあり、納得させられるものでもあった。切手が小道具になっているのもいい。
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