お茶吹きそうになる案件が流れてきました。大阪市なにしとんねん。
水と大気中のCO2等から生成する人工石油(合成燃料)を活用した実証実験を支援します
同社(引用者注:サステイナブルエネルギー株式会社)は、本市が実証フィールドとして提供する花博記念公園鶴見緑地において、水と大気中のCO2等から生成する人工石油(以下「合成燃料」という。)による発電システムの構築に向けた実証実験を実施します。
大阪市 - 地球温暖化対策 - 588970
小波秀雄先生がこんなリアクションをされています。「大馬鹿」とはまたストレートな。
ええっなにこれ!これって大馬鹿だがね。
— こなみひでお (@konamih) January 26, 2023
大阪府、大阪市、大阪商工会議所:水と大気中のCO2等から生成する人工石油(合成燃料)を活用した実証実験を支援します 2023年1月10日https://t.co/MAL38bkKoe
小波先生のツイッター上で多くの指摘がある通り、この件はもともと大阪大・京都大・立命館大で教授を務められた今中忠行先生のグループが 2015年に日本化学会の論文誌 Chemistry Letters に論文を発表して、1年後に撤回したといういわく付きの案件です。しかし、その後別の論文誌に同じような論文を出してたんですねえ。知らんかった。こりゃ確信犯だな。
その後、2019年に以下のような論文も出しているようですが、これ、オープンアクセスのジャンクジャーナルぽいな…https://t.co/h9e6i5fbHf
— ながぴい (@Nagapiii) January 27, 2023
こういう「自称・夢の技術」にロマンを求めたい人に知っていただきたいのですが、「人工光合成」を真面目に研究している人は日本にたくさんいます。非常に難しい研究なのでなかなか実用化に結びついていませんが、それでも地道にやっているのです。こんなインチキくさい案件に踊らされないで、真面目に研究している大学や企業を見つけて、細く長く応援してほしいと思います。