2023年03月19日

Ken Thompson が Mac を捨てて Raspbian に移る

 Slashdot の記事です。"Unix Pioneer Ken Thompson Announces He's Switching From Mac To Linux." SCaLE (Southern California Linux EXPO) のキーノート演説の質疑応答の一節で、「今はどんな OS を使っていますか?」という質問に対する回答です。

私は、人生のほとんどの時間 Apple を使ってきた。

最近、つまり過去5年の間に、私はどんどん憂鬱になってきた。あなたの仕事を可能にするはずのものに対して Apple が行っていることは、実にひどいものだ。まあ、彼らはそれをするために多くのスペースと時間を割いているのだから、好きにすればいい。

私自身は、Apple に膨大な時間をつぎ込んできたけれども、この1〜2ヶ月の間に、それを捨て去りつつある。そして私は Linux、特に Raspbian に移行している。(大きな拍手)

Ken Thompson - Closing Keynote - SCaLE 20x

 Ken Thompson は、御歳80で、Unix, UTF-8, Go 言語の開発者です。Wikipedia では「2009 年のインタビューによると、Thompson は現在は Linux ベースの OS を使っている」とあるので、「ここ数ヶ月」という話ではないのかもしれないけど、「Apple が行っていることは実にひどいものだ」という認識は象徴的ですねえ。Mac OS X が「Unix ベースの OS と使いやすい GUI の融合」を示した功績は大きいけれども、蜜月の期間は短かったな。

 ただ、自分が Mac を捨てられるか、というと、それはまた別の話です。一番影響が大きいのは音楽関係のアプリケーションだな。シーケンサや DAW は何とかなると思うんだけど、音源系がね。Windows 用の VST を Wine + yabridge で動かす、という手はあるみたいだけど、そこまでやるのか……??という気持ちもある。

 一方、Linux 用の音楽環境も進化しているようで、そろそろフォローし始めた方がいいかもしれない。まずは LV2 を学ぶところからですかね。Pianoteq などは、Linux の LV2 で動くプラグインを提供しているようです。

タグ:Mac Linux
Posted at 2023年03月19日 22:53:01
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