囲碁の井山裕太六冠、十段位を奪取して七冠達成。すごいですねえ。相手の伊田十段もやりにくかっただろうなあ。将棋の羽生七冠誕生の時もそうだったけど、なんか周囲が七冠達成を期待している雰囲気があっただろうから。だからといって、勝負に集中できなかったなんてことは決してないだろうけど。(そんな程度のレベルではタイトルなんか保持できないでしょう)
将棋の羽生七冠が誕生した時は、その一年前に谷川王将がフルセットの末羽生六冠を退けた。第7局は千日手指し直しの熱戦。それを伝えた「将棋世界」の記事(鈴木輝彦七段)は何とも味わい深かった。谷川はその直前に阪神大震災で被災していた。谷川を応援する世間の力もあったように思う。一方、その一年後の防衛戦では、谷川はストレートで失冠し、羽生の全冠制覇を許した。一年前とは違って、「羽生七冠を見てみたい」という空気がまさっていたように感じられた。戦っている本人たちは純粋に盤上に集中していたとしても、周囲はそこにドラマを読み取ってしまうものだ。
将棋と囲碁で大きく違うところは、囲碁では世界に強力なライバルがいること。世界戦での井山七冠の活躍を楽しみにしておこう。