2013年01月25日

暴力的指導?

 高校運動部の「体罰」問題。この指導者は、暴力を使うことでしか結果を出せない、という自分の非力さを謙虚に認めるべきだと思う。そもそも、「全国大会出場」というような結果って、多くの生徒の心身に深い傷を負わせてまで追い求めるほど価値のあるものなんかい? その結果を得る過程で、心身がたくましくなるとともに、弱者や敗者への思いやりを身につけ、包容力のある人間に育ってくれるのなら、学校教育の一環として確かに素晴らしいことだと思う。でも、暴力を使った指導で頂点を極めたところで、勝つことにしか興味がなくて敗者を見下す偏狭な人間に育つことの方が多いんじゃないの? 部活動の「結果」だけで一喜一憂している人たちには、何のために学校の部活動があるのかをよーく考えてほしい。

 一方、橋下市長のやり方も無茶だと思う。あれでは、一つの暴力を別の暴力で置き換えているに過ぎない。いま必要なことは、高校の教員(できれば生徒も)と外部の人が部活動のあり方について徹底的に意見交換して、方向性を考えて行くことだと思う。市長のやり方で当該高校を事実上解体したら、表面的には問題はなくなるように見えるだろうけど、関係者の心中に自己正当化の気持ちが根強く残るだけで、暴力や偏狭の連鎖はいつまでも続いてしまう。

タグ:教育
Posted at 2013年01月25日 23:42:50
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