「メシアンによるラヴェル楽曲分析」を購入。手頃な厚さだったので昼休みにぱらぱらとめくってみたのだが、なんだか中途半端な印象を受けた。リズムの分析はさすがに面白いのだけど、音使いについては「ここはこういう和音」「ここはこういう旋法」と分析結果を並べてあるばかりで、「だからどうなのか?」という根本的な説明にあまり踏み込んでくれない。また、せっかくイヴォンヌ・ロリオさんが共著なのに、演奏家の視点からのコメントもあまり面白くない。「スカルボ」の「fa##-sol#-d#」が「la-la#-d#」と変形されるところで「当時のピアノは低音が la までだった云々」という記述が(2回も)出てくるが、そんな判りきったことをわざわざ説明しなくてもいいじゃんか。メシアン他界後にまとめられた本とはいえ、もうちょっと歯ごたえのある内容を期待したんだがなあ。