だいぶ前にベストセラーになった本を、何を今さら、という感じだけど、読みました。いつもの自虐ネタも健在だけど、それ以上に面白いのが「失敗したと思ったけど、結果的にうまくいった」インタビューの話。実にいろいろなパターンがある。一応新書として「心を開く35のヒント」という副題がついていて、ノウハウ本の体裁をとっているのだが、「ノウハウ」に収まりきらない部分に大事なことが隠されているようだ。
自分としてツボにはまったのが、デーモン閣下へのインタビュー。「あの、ヘヴィメタって、なんですか」って、デーモン閣下へのインタビューでそれを聞くんかよ。ところが、それに対する閣下の回答が明快ですばらしい。詳しくは、この本(または対談の元記事)を読んでください。まあ、最近人気の相撲の解説を聞いても、この人が説明上手であることはよくわかる。音楽は本職なんだから、明快に語れるのは当然といえば当然か。
あと、岸田今日子さんの「食事姿が美しい」話とか、遠藤周作さんのことをコメディアンだと思っていた話とか、いろいろな人にまつわる小ネタも秀逸。新書なんだけど、傑作エッセイ集にもなっていますね。
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