2015年06月15日

「打ちのめされるようなすごい本」(米原万里/文春文庫)

 米原万里氏唯一の書評集。読むのに1ヶ月ぐらいかかってしまった。タイトルの「すごい本」が指すのは当然この中で取り上げられている本のことなのだろうが、この本自体が「すごい本」でもある。本当に、読んでいる本の数が半端じゃないし、またそれをいちいち面白がるエネルギーがすごい。登場する本の数ということで言えば、目黒考二氏の「活字三昧」「活字学級」(ともに角川文庫)も半端じゃなかったが、目黒氏は昔の書生よろしく静かに読書している印象がある。米原氏はそれとは違って、すごいオーバーアクションでいちいち感激しながら読んでいるかのよう(あくまで勝手な想像である)。読者の方にも、結構なエネルギーが要求される。読むのに時間がかかった所以。

 解説は井上ひさし氏と丸谷才一氏だが、書きづらかっただろうなあ。それでも丸谷氏は、いつものようにゴキゲンな様子で、ちゃっかり自慢話をされているが。

タグ:読書
Posted at 2015年06月15日 23:13:21
email.png