2014年05月07日

ものの燃え方

 小学校6年生理科、「ものの燃え方」で、「空気を満たして密閉したビンの中でろうそくを燃やすとどうなるか」を学ぶ。酸素がなくなって火が消える、のかと思っていたら、「酸素がある濃度以下になると火が消える」、つまり、火が消えた時点でも酸素はビンの中に残っている、と答えないといけない。確かによく考えてみたらその通りなのだけど、これはえらく奥の深い話だ。

 利発な子が「酸素の量が減ると、ろうそくの火が小さくなるのならわかるけど、消えてしまうのはなぜ?」と質問したら、小学校の先生はどう答えるんだろう。この質問は大学レベルでも難しいぞ。たぶん正解は、「燃焼は連鎖反応だが、酸素の量が減ると、連鎖成長反応よりも停止反応の方が優先して、連鎖が止まってしまう」ということだと思うけど、これを答えられる先生は少ないだろう。

 教育現場としては、「理由はわからないけどやってみるとそうなる」で済ませられているんでしょうかね。小学校の理科では、このレベルでも別に構わないと思う。理屈がわかってなくても、ものの燃え方について知識を持っていることは大事だから。ただ、当たり前のようなことでも、突き詰めると奥が深いネタはたくさんあるのだな、と改めて思った。

タグ:教育
Posted at 2014年05月07日 00:02:48
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