2012年09月06日

欲しいものが欲しい

 「自動車はできるのに、家電はなぜできないか?」(More Access, More Fun!) 自動車メーカーの技術者は「自分が欲しいもの」を作っている。家電メーカーはそうではない、という論調。同じブログの一つ前のエントリは「自分が売りたいもの、お客さんが買いたい物はどこですれ違う?」なので、自分が欲しいものを作れば売れるというわけでもないのだが、ともかくもの作りの段階では「自分が欲しいものを作る時に一番いいものができる」というのは基本。

 たとえば4Kテレビとかインターネット冷蔵庫とかスマートフォン洗濯機とか、技術者のチャレンジとして「作ってみたい!」と思う気持ちはわかる。でも、それができてしまったら、使うことなんかそっちのけで「やったー、できた。さて次は何を作ろう?」とどこまでも突き進んでいっちゃうんじゃなかろうか(3Dテレビなんて完全にそんな感じだったよな)。「作りたいもの」と「欲しいもの」とでは意味合いがちょっと違う。「作りたいもの」に共感するのは技術者だけだけど、「欲しいもの」は技術者じゃない人にも共感してもらえる(こともある)、というあたりが大事。でも技術者が完全に技術者アタマになっていると「欲しいもの」と「作りたいもの」がシンクロしてしまってあまりよろしくないので、技術者的じゃない何かほかの世界を持っていることも大切かな、と思う。

タグ:
Posted at 2012年09月06日 00:01:56
email.png