朝日新聞大阪科学医療部の小宮山亮磨記者が、スパコン「京」について「世界一=開発成功ではない」と題したコラムを同紙に書いている。「京」が世界第2位に後退したこと、および開発に関わる内部委員会(2009年)の記録が公開されたことに触れ、世界一だった時点でも「京」が技術的には遅れていたこと(IBMの競合機と比べて消費電力・設置面積効率が大きく劣ること)を正確に指摘している。スパコンを自国開発することには大きな意味があるが、1000億円以上の国費が「技術的に最高の装置を作る」ことよりも「(top 500 というランキングの範囲で)一瞬世界一をとる」ことを優先して費やされたのは大きな痛恨事である。このあたりの事情が、志あるジャーナリストの人によってもっと詳しく書き残しておかれることを望みたい。
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