2007年11月16日

2007年11月16日:嬰イ短調の曲

 もくろぐ 11/15 分、ゆめのかたち第57番。嬰イ短調の曲って初めて見た。譜面に一種異様な感じがただよっている。異様さの理由をいろいろ考えてみたが、ひとつは「半音下がった音」がシャープ記号で表される違和感だろうか。

ゆめのかたち第57番より

(安川徹「ゆめのかたち第57番」より第5〜6小節)

 上声の嬰ヘ音は、2小節前の重嬰ヘ音から半音下がった音なのだが、本来「半音上げる」記号であるシャープがついているものだから、「自然な音程よりも高く変位した音」と一瞬誤認してしまう。異名同音の変ロ短調だと「変ト」になるので、こういう誤認は起こらない。

 もう一つは、シャープ系の調にはたいてい「明るさ」が伴っているものなのに、この曲が暗いことかな。同じ調号7つの調でも、この曲が変イ短調だったらそれほどの異様さは感じなかった。「普通に」暗いというか。なかなか「嬰イ短調にふさわしい」曲想というのは思いつくものではない。僕がこの曲想を思いついていたとしたら(思いつかないけど)、たぶん平凡に変イ短調で書いていただろうなあ。

タグ:音楽
Posted at 2007年11月16日 23:39:22
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