2006年09月02日

2006年09月02日

 ロシアからの帰途、モスクワのシェレメチェヴォ空港で CD/DVD 店に入ったとき、ボロディンの「イーゴリ公」の DVD があった。「映画オペラ」(Фильм-опера)と書いてあったのでどんなもんかな、と思ったが、482ループル(2000円ぐらい)と手頃だったし、ちょうど手持ちのルーブルが余っていたので買ってしまった。再生できるかな、と思って今日やってみたが、パイオニアの DVD ではだめで、PowerBook で DVD プレーヤを使うと再生できた(リージョンコードは「どこでもOK」なので問題無し)。残念なことに、再生速度がずれているらしく、音楽が約1全音高く聞こえ、異様にテンポが速い。DVDを可変速度で再生するソフトはWindowsではいろいろあるようだけど、Macではないんでしょうかね。

 2/3ぐらい見たところで感想。これはなかなか大したものだ。音はフルオーケストラ+歌手+合唱の完全なオペラで、画面はちゃんとした映画になっているのだ。たぶん、オペラとして録音したものに合わせて、映画俳優が演技をつけたんだろう。古い映画なので音も画面もよくないけど、ずいぶん贅沢な作りだと思う。お話だけなぞってアリアと有名曲を適当に突っ込んだミュージカル仕立ての映画かと思ったら全然違った。ちなみに1969年製作。旧ソ連の芸術ってのはなんだかすごいね。

 ちなみにこのDVD、どうも「歌劇『イーゴリ公』映画版」(リンク先は Amazon)と同じものらしい。なんだ日本語版出てたんだ。Amazon のレビューにも書いてあるが、曲の順序は変えてあるしいろいろ編集してあるので、オリジナル楽譜原理主義である僕としてはやや不満もあるのだが、まあどうせこの歌劇はボロディンが書き残した断片をリムスキー・コルサコフとグラズノフが編集して作り上げたものだし、話としても今ひとつまとまってないので、再編集して作品として完成させるのはかえって正解かもしれない。

 「だったん人の踊り」(本当は「だったん人」は間違いで「ポーロヴェツ人」と言った方がいいらしい)は編集なしでやって欲しかったけどな。個人的に思い入れあるんで(おいおい)。この曲はボロディンのオリジナルでもあるし。

 キリル文字(ロシア文字)を全角で書くとみっともないなあ。そろそろ unicode に移行した方がいいかな。でも mi って unicode 完全対応じゃないんだよね… (2006/09/03 追記) Unicode のキリル文字で書いてみたが結果は同じだった。日本語の中に混ぜたキリル文字を半角サイズで表示するには、<span>で lang と font-family を指定するとよいみたい。Shift-JIS の「全角」キリル文字もちゃんと「半角」で表示できる。

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Posted at 2006年09月02日 00:00:00
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