バスクラリネット奏者の Michael Lowenstern さんは、The Earspasm Studio の代表で、YouTube の Earspasm Music の配信者です。バスクラ愛好家ならご存知でしょう。このブログでも何度か動画を紹介しました。
さて、Earspasm のウェブサイトにはブログがあります。過去に遡って読んでいると、なかなか興味深い記事がありました。
earspasm
A letter from a composer; feedback from a performer
I sometimes get emails from composers asking me to play their piece, or at least take a look at it. I always look, but nearly never play them. I haven’t performed a piece by another composer (other than myself and arrangements I’ve made) in about 15 years. But I am always curious, and am always happy to provide feedback.
作曲家志望の読者から、自作のバスクラリネット独奏曲へコメントが欲しい、という手紙をもらった、という話です。リンク先の譜例を見ると、極度に複雑なリズムや四分音が使ってあって、いかにも「いわゆる現代曲」っぽい作品です。Mike はどんな返事を書くんだろうか。
Mike の返信は、雑にまとめるとこんな感じですかね。
これ、80年代あたりによく見たタイプの複雑系の作品の流れだね、譜面もちょっとレトロな感じだしね。これ、ホントに文字通りに演奏して欲しいと思ってる? こういうのを書く作曲家って、実はだいたいでいいって言う人もいるんだけど、君はどっち?
で、演奏家としての立場から言うと、こう自問するわけね。この5分ぐらいの曲に何週間もかけて練習する価値ある? 自分のレパートリーの中で生き残りそう? 私は個人的には、作曲家(自分も含めて)のことよりは聴衆のことを優先するタイプなんで、そこがどうよ、ということかな。
作曲家に対してわりと厳しめの姿勢ですが、大事なのは Mike が「こういうタイプの作品」をちゃんと知っている、というところだと思いました。返事の中で紹介されている Brian Farneyhough の "Time and Motion Study 1" はバスクラリネットの独奏曲だそうです(知らなかった)。
Farneyhough のフルート独奏曲 "Unity Capsule" は、けっこう演奏されてますよね。初めて楽譜を見た時は「こんな曲演奏したい人いるんか??」なんて思ったのですが、YouTube で検索すると実演の動画がいっぱい出てきます、チャレンジングな独奏曲として、一定の評価を得ているようです。
作曲を専門に学んでいる/教えている人から見たら、どうなんでしょう。こういうスタイルの曲に需要がないわけじゃないけど、別に新曲は要らないんじゃない?という気はしますね。もちろん、演奏も他人の評価も前提にせずに趣味で作るのなら、好きにすればいいんでしょうけど。
