iDVD の諸問題

(2007.2.25. 記)

 前ページの続きである。iMovie HD の使い方はだいたいわかった。DC-40 で撮影した DVD-RW/VR に入っているビデオクリップが全部1本の DV ファイルになってしまうが、これを手作業で場面ごとに切り分けて、冗長な部分をカット、場面のつなぎに適当にトランジションを入れて、タイトルをつければ、1本のムービーのできあがり。

 さて、あとは3〜4本のムービーごとに1枚の DVD にまとめればいい。もちろん iDVD の出番である。見栄えのよい DVD が手軽にできるので、これはなかなかいいぞ、と思ったのだが…2枚ほど作ってみたところで、もう不満な点がいろいろ出て来てしまった。断っておくが、決してプロレベルの要求をしているわけではない(と思う)。単純なホームビデオの作成という、iDVD が想定している最も普通の使用目的であり、見る方も単なる素人である(素人ほど技術的に無茶な要求をする、という話はあるが、それはまあおいといて)。ちなみに、iDVD のバージョンは 5.0.1 である。

1. メニュー画面の不思議

 テーマを選んで、そこに iMovie で作った素材を放り込んで行くと、メニュー画面ができあがる。メニューのボタンは決まった位置に置かれるが、「カスタマイズ」→「設定」の画面で「ボタン」の「自由な位置」をオンにすると、ボタンを自由な位置に動かすことができる。それはいいのだが、こうやって作ったメニュー画面を DVD プレーヤー(パソコンではなく家電機器の方)で操作しようとすると、直感に反する動作(「左」を押しても左のボタンに移動してくれない、など)をすることがある。メニュー画面の操作手順は iDVD が適当に決めているらしく、自由なレイアウトをしようとすると iDVD が混乱してしまうことがあるようだ。最初に作った時のレイアウトから動かさないのがコツのようである。不自由だがやむを得ない。

2. チャプターメニューは使えるか?

 せっかく iMovie でチャプターを打ったので、チャプターをメニューで選べるようにしよう、と思ったのだが、iDVD でチャプターメニューを自動的に作らせると、ムービー自体を再生したい時に「トップメニュー→そのムービーのメニュー→ムービー全体を再生」という二重の手間をかけないといけない。それではと、各ムービーのチャプターを選択するボタンを一つの画面にあつめて、チャプター選択専用のメニュー画面を作ってみたのだが、これまた動作がおかしい。1. で書いたボタン選択順序の問題もあるのだが、チャプター選択ボタンにはどのムービーのチャプターなのかが書かれていないらしく、ボタンを別の画面に貼付けると別のムービーのチャプターを選択してしまったりする。結局、チャプターメニューを作ることはあきらめた。まあ、せいぜい 10 個程度のチャプターだから、最初から順番に見て行っても手間は知れているし。

3. 画面の品質

 これが最大の問題。作成した DVD ビデオを再生すると、動きがひどくぎくしゃくしたり、画面がちらついたりする。家庭用 DVD プレーヤーを使っても、Mac 上で DVD プレーヤーソフトを使っても同じ。DVD は画像データを圧縮するからある程度の劣化はやむを得ないとしても、元のビデオカメラも DVD に記録しているのに画面がちらついたりはしない。また、iMovie 上で編集している時も画像の劣化は感じられないので、これは iDVD の問題らしい。

 そもそも画像編集の初心者なので全く知識がなかったのだが、どうも DVD を作成する時に MPEG2 エンコードをどういうソフト(またはハード)、どういう設定で行うかで出来上がりの画質は大きく影響を受けるようだ。当たり前といえば当たり前だが、見ていて「これは目に悪いぞ」と感じるほど激しい劣化があるとは思っても見なかった。これはなんとか回避法を見つけないと使い続ける気にならない。

 いろいろ調べたところ、この記事「iDVDで作るDVDの画質を追求する」が非常に参考になった。自分なりにもう少し単純化して、次のようにしてみたところ、一応うまくいっているようだ。

3.1. MPEG2 エンコード

Toast 8 ではメニューテーマを自作できるようだが、アップグレードするかどうかは思案のしどころ。自作するといってもけっこう手間がかかるし、そう安いソフトでもないし。

3.2. iDVD でメニュー画面作成

チャプターメニューが必要な時は、ダイジェスト版も同じチャプター構成にする必要があると思う。今回はチャプターメニューはあきらめたので、このダイジェスト版はチャプター無しで構わない。

3.3. iDVD のメニューと Toast でエンコードした MPEG2 を合体

 Toast の MPEG2 エンコードは iDVD (5.0.1) の標準のものよりずっと優れているようで、この方法で作った DVD ビデオでは画面のちらつきは全く気にならなくなった。ただし、今回は iDVD の「画質を優先」というオプションは試していない。やってみようと思ったが、途中でプログレスバーが全く動かなくなって、本当に動いているのかどうか不安になって強制終了してしまった。これは後日余裕があれば再挑戦してみたい。