2021年07月01日

オリンピックはもはや憎悪と軽蔑の対象でしかない(つづき3)

 招致の中心にいた猪瀬直樹氏の発言。炎上しているようですね……

 なぜ「〜を言う人たちは」と、むやみにでかい主語で語るんでしょうか? 私も「五輪開催反対」に与する一人ですが、猪瀬氏によれば、私も「五輪が始まると気持ちが変化したことに気づく」ことになってしまいます。そういう人も確かにいるでしょうけど、全員がそうではありません。上の発言からは、五輪を招致した側の人たちが「一般大衆」をその程度の存在と軽侮しているとしか感じられません。ここ数ヶ月の間に、IOC やら組織委員会やら JOC やらの人たちの発言に、そういう軽侮をさんざん投げつけられて、五輪がすっかり嫌になってしまった人はたくさんいると思いますよ。どうしてそこに思い至らないのかな。わからないふりをしているだけ?

 ところで、猪瀬さんの「東京の敵」note を全部読みました。共感できるところは多々ありました。猪瀬さんはかつて、「史上最も金のかからない五輪になる」と発言されていた。よく知られていた通り、猪瀬さんはそのツイートをつい最近まで残されていたのだけど、そのこと自体に私は猪瀬さんの志を感じていました。その計画が、いったいどういう風におかしくなっていったのか、note を見るとその一端が伺い知れます。

 もともと私は、五輪招致についてはそれほど応援してなかったけど、猪瀬さんたちの努力はよく伝わってきたし、日本を元気にしたいという志も強く感じていました。だから、成功してほしいという気持ちは大いにありました。この場でもそう書きました。そもそも、今になって東京五輪の印象が極端に悪くなったからといって、さかのぼって招致自体を悪く言うのは筋違いというものです。

 でも、さっきも書いた通り、ここ数ヶ月で、五輪の崇高な精神なんてものはもはやどこにも存在しない、と思わざるを得なくなってしまった。なんでここまで徹底的に虚仮にされて、なおかつ五輪に熱狂しなくちゃいけないんだ。人をバカにするのもいい加減にしてもらいたい。

 私の深層心理ですか。五輪に向かうひいきの選手たちには、「とにかくご無事でいてください」と祈るばかりです。想像だけど、戦争末期に召集された若者を送り出した人々の深層心理と、通じるものがあろうと思います(五輪=戦争、みたいな短絡的なことを言うわけじゃないけど、妙に符合していることは感じざるを得ない)。怪我も病気もなく、もちろんコロナウイルス変異株の恐怖にさらされることもなく、無事に戻ってきてください。山本由伸、吉田正尚、君たちのことだ。で、宮城くんを追加召集するのは頼むからやめてくれ。

タグ:社会
Posted at 2021年07月01日 23:58:12
email.png