2006年03月07日

2006年03月07日

 論文を書いているとき、こんな数学で行き詰まってしまった。

f(x) = (eN(x-d)-Nex-d+N-1)/((1-eN(x-d))(1-ex-d))
- (eN(x+d)-Nex+d+N-1)/((1-eN(x+d))(1-ex+d))

 この関数 f(x) が偶関数で x = 0 で極値をとることを証明しようと思ったのだが、なかなかうまくいかない。3時間ほど費やしてノートを2ページ書きつぶした末にとうとうあきらめて、以前から気になっていたオープンソースの数式処理ソフト Maxima を使ってみることにした。参考にしたページ:

 10.3 にソースからインストールしたので結構手間も時間もかかったが、何とか動くようになった。で、上の問題を解いてみたところ:

(%i1) f(x):=(exp(n*(x-d))-n*exp(x-d)+n-1)/((1-exp(n*(x-d)))*(1-exp(x-d)))- (exp(n*(x+d))-n*exp(x+d)+n-1)/((1-exp(n*(x+d)))*(1-exp(x+d))); exp(n (x - d)) - n exp(x - d) + n - 1 (%o1) f(x) := ------------------------------------- (1 - exp(n (x - d))) (1 - exp(x - d)) exp(n (x + d)) - n exp(x + d) + n - 1 - ------------------------------------- (1 - exp(n (x + d))) (1 - exp(x + d)) (%i2) ratsimp(at(diff(f(x),x),x=0)); (%o2) 0 (%i3) ratsimp(f(x)-f(-x)); (%o3) 0 (%i4)

 "0" って出てきたときには感動しました。商用のソフト(Mathematica とか)と比べると不具合もいろいろあるようだが、手計算ではちょっとしんどいな、というぐらいの式変形には十分使えそう。

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Posted at 2006年03月07日 00:00:00
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