2011年11月15日

2011年11月15日

 わけあって量子力学のお勉強中。パルス NMR の原理についての話で、普通の解説書だと 90°パルスなどの原理を古典的なベクトルモデルで説明してあるのだが、「スピンが磁場の中でくるくる回るなんて量子力学的には嘘なんだろ? ホントはどうなってるんよ!」というところが長いことひっかかっていた。化学者向けに「数式を使わずにやさしく解説」してある本を何冊読んでも、結局「イメージを植え付けられる」だけで、何もわかったことにならないのね。スピン波動関数から出発してちゃんと式導出をすると、スピンの x, y, z 成分の期待値の時間変化が「形式的に」古典モデルと同じ式に従うことがわかったので、ああこういうことだったのか、とようやく納得。ただし、これはスピン 1/2 の粒子に限られるみたいで、スピンが1以上の核種はどう理解すればいいのかまだわからない。

タグ:
Posted at 2011年11月15日 23:11:50
email.png