2011年03月22日

2011年03月22日:安定ヨウ素剤

 安定ヨウ素剤の服用について気にしていた知人がいたので、原子力安全委員会の資料を読んでみた。これによれば、安定ヨウ素剤の服用が勧められるのは、40歳未満の人が 100 ミリシーベルト相当の放射性ヨウ素を体内に取り込んだ(もしくは取り込む可能性がある)場合とされている。これまでに公開されている放射線の計測量から推測すると、現状でこの基準に達する可能性があるのは原発内で作業している人だけで、それ以外の人はヨウ素剤によって健康被害を起こすリスクの方がむしろ大きい。

 ちなみにすでに報道されている事だが、もちろんイソジンを飲むのはもっと体に悪い。こんぶなどの海藻類を食べるのは別に悪くはないが、(おなかを壊すぐらい大量に食べない限り)ヨウ素摂取については特に何の効果もないので、お店で売り切れて手に入らなくても別にくよくよ悩む必要はない。もちろん、こんぶが手に入って、それを食べることで心の平安が得られるのであれば、それはそれで結構かと思いますが。

 放射性ヨウ素・セシウムの影響については、東大病院放射線治療チームの Twitter (#team_nakagawa) に詳しいのでぜひご一読を。ベクレル単位をシーベルト単位に変換する係数の出典(原子力安全委員会「環境放射線モニタリングに関する指針」)もリンクを貼っておこう。放射性ヨウ素は寿命が短いので期間限定だが、放射性セシウムは長寿命なので長期にわたって監視が必要。

 基準値以上の放射性物質が検出された農産物だけど、牛乳はまあしょうがないとして、野菜類はなんとかならんもんだろうか。ゆでこぼして調理したら基準値以下に下がる、とかないのかな? 誰か実験してくれません?

タグ:社会 科学
Posted at 2011年03月22日 23:56:01
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